海外ナンパ師のABC

外国の女性を抱くことについて

アルゼンチンナンパ Part 2 エクアドル人即

 良い時代に生まれたと思う。何故ならtinderがあれば、旅行先での出会いがとりあえず保証されるからだ。全くのゼロから関係を構築していくストリートナンパが1番好きだし、正直、tinderは実際にアポを取り付けるところまでいったらセックスをしたも同然なのでナンパとは言えず、面白みにかける。ただ、それなりにかわいい子が抱けるし、限られた時間の中で結果を出すにはうってつけだ。

 アルゼンチンには2週間ほど滞在し、こまめにスワイプしていたが、20強しかマッチしなかった。初めて課金してスワイプ無制限にしたにも関わらず、だ。ルックスではそれほど戦うことはできないということだろう。言語的にもルックス的にも厳しい戦いが強いられる。

 数少ないtinderのマッチの中で初めてアポまで取り付けることができたのは、エクアドル人だった。名前はリアといい、ブエノスアイレス音楽大学でオペラやクラシックを教えているという。英語は普通のアルゼンチン人よりもできそうだった。彼女自身、エクアドル人はアルゼンチン人より教育水準が高いなどと言っていたが、僕はエクアドルがどこにあるのかすら知らなかった。辛うじて知っていたのはバナナの産地ということぐらいだ。

 僕らはパレルモと呼ばれる地区にあるLa Escondidaという店でディナーをした。なかなか内装も良くいかにも高そうなお店だったのだが、円高のおかげで2、3000円あればそれなりに高級なところでディナーができたので、ここもそれほど値は張らなかった。BREXITには感謝してもしきれない。

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 僕らは8時半頃に店の前で待ち合わせをした。彼女がどんな服装をしていたかは覚えていない。黒髪のラテン系の女性だ。インド人に見えないこともない中々の美人だ。

 店の中はガラガラだった。アルゼンチン人の夕食は9時頃から始まる。そして、翌日仕事がなければ、2軒目を回り、金、土曜日は1時頃からクラブに赴くというタイムスケジュールだ。僕は、アルゼンチンに来てからというもの疲れが溜まっていて、毎日夜10時頃には寝ていたので、少し早めのディナーにしてもらった。

 椅子に座って、まずワインとウィンナー等々を注文した。アルゼンチンは想像以上にご飯がまずく、辟易していたのだが、ウィンナーだけはジューシーでおいしい。

 彼女は少し緊張しているようだった。僕はというと、それほど緊張はしていなかったが、焦りがあった。3日目の夜にして1即も出していない。ツイッター上でそれなりに宣伝してきたので、これで誰も抱けませんでしたなどと言ってノコノコ帰ってくるのはまずかった。だからこそ今回のアポは外すことはできなかった。

 勢い余ってワインのボトルを2本も開けたので、何を話したかは正確には覚えていないが、身の上話とか過去の恋愛の話とかだった気がする。アルゼンチンの男はあまりロマンチックじゃないし、浮気性なので好きじゃないと言っていた。南米の男といえば、情熱的でロマンチックというのが巷での評判であると思うが、必ずしもそうではないらしい。これは僕も感じていた。アルゼンチンの男はファッションセンスも皆無だし、どこか生気の抜けたような顔をして道を歩いている。女もだが。どこの国の男も同じくらい口説き上手なやつと下手なやつがいる。ラテン男は情熱的などというのはあまり根拠がない日本人の女の子の妄想なのだと思う。

 話を戻して、彼女とのアポはなかなかに上手く行った。というのも、音楽教師であったため、音楽の話で盛り上がったからだ。僕は音楽が好きな女の子とは気が合う。一緒にFeeling goodを歌ったりして、幼稚な表現ではあるが、楽しかった。

 「スペイン語を教えてくれよ」

 「もちろん」

 「君は美人だ、ってどう言えばいいんだ?」

 「Tú eres muy bonita.かな」

 「なるほど」

 「あなたはハンサムって日本語ではどう言うの?」

 そして、プラザセラーノというパレルモ地区の有名な飲み屋街に行き、ステラを飲みながらディープキスをして、僕の部屋で夜、朝合わせて3回セックスした。

 日本から遠く離れた異国の地でするセックスはいつも変な感じだ。LAでアメリカ人とセックスした時もそうだったが、なにか宇宙の彼方に放り出され、延々と漂い続けるような寂しい感覚。興奮というよりも、自分の体から自分が抜けていってしまうような妙な感覚で満たされる。嫌いじゃなかった。

 別れた後、「また会いたい」とのメッセージが来たが、僕らが再び会うことはなかった。

 

 

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